海苔漁師の日常〜5月編〜
今回は『海苔漁師の日常〜5月編〜』を紹介します。
元サラリーマンだった私は22年8月から宮城県七ヶ浜の海苔漁師として新たな人生を歩み始めました。
職種は全く異なるものですが転職して半年以上が経ち、徐々に海の男に近づいてきたように感じます。
海苔養殖は冬季が本格シーズンですが、8月から作業は始まっています。
8月〜4月までの作業内容は別記事で紹介しています。
まだ読んでない方は合わせてご覧ください。
今回は5月編になります!
22−23年養殖シーズンが終わり、オフシーズンに入りました。
海にでなくなった海苔漁師がどんなことをしているのか、
作業内容を詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
【海苔漁師の作業内容】5月編
4月で海苔養殖シーズンが終わり、5月はオフシーズンです。
オフシーズンの間も来シーズンに向けた道具のメンテナンスなど準備を行なっています。
海から撤去した道具は一時的にまとめて置いてあるものが多く、この時期に1つずつ整理しておきます。
それでは作業内容を詳しく見ていきましょう!
海苔網の洗濯
海苔網は回収した状態では海苔の残骸が付いており洗っても綺麗に落ちません。
そのため陸に上げた網はビニールシートをかけて発酵させます。
4月になると気温も上がり発酵が進みます。
大体5月連休明けになると異臭を放った網が出来上がり、綺麗に落ちる状態となります。
海苔網専用の洗濯機があり、入れると数分で綺麗に汚れを落としてくれる優れ物です。
洗濯に使用するのは海水です。ポンプで汲み取って洗濯機に入れています。
洗濯機を見ると実力が知りたくなりますよね?
実際に洗う前と洗った後の網を比較してみましょう。
左が洗う前、右が洗った後です。
こんなに綺麗に落ちると気持ちがいいですね!
昨シーズン使用した640枚の海苔網を1週間弱かけて洗濯しました。
洗濯後は絡まっている網を手作業でほどき、破れがないか軽く目を通し大きな穴があれば廃棄します。
海苔網の補修
洗濯した海苔網は1枚ずつ手作業で細かくチェックしていきます。
来シーズンも同じ網を使用するため、ほつれや破れがあった場合は補修しなければいけません。
まだ1〜2年使用した海苔網なら問題ありませんが、3年以上使用した網は補修箇所が多くなります。
写真のやぶれやほつれは手作業じゃないと見つけられないため、640枚全て行います。
2〜3週間で全部の確認と補修作業は完了しました。
ほつれがあった糸はそのままにしておくと切れる可能性があるので別の糸で補強します。
著者が実際に補修した部分を見てみましょう。
素人ながら上手くできたと思うのですがどうでしょう?
海苔網を重ねる
海苔網を洗い、補修したら以前にも紹介した網重ねを行います。
1枚の網を10枚重ねる作業で、海苔の遺伝子を網に付ける採苗・海苔の子供を育てる育苗の際に使用します。
網重ねはただ10枚重ねればいいのではなく、張り具合が重要になってきます。
親方が長年の経験を生かして感覚で張り具合を調整しています。
2枚目の写真は端っこの糸が綺麗に巻けていたので撮ってみました。笑
来シーズンの準備は海苔網から!!
今回は『海苔漁師の日常〜5月編〜』を紹介しました。
5月は海苔養殖に欠かせない海苔網の準備に特化した月となりました。
一番時間がかかる作業ですが、海苔養殖にとってかなり重要な作業なので各海苔屋も早めに取り組んでいます。
1ヶ月も海苔網の補修をしていると手先が器用になります。
おかげで著者はパラコードを編み込んだストラップを作れるようになりました。笑
良いのができたら今度、紹介します。
また次回の記事でお会いしましょう。それでは〜