小型船舶操縦士免許って難しいの?〜合格への近道〜
今回は【船舶免許の取得】について紹介します。
著者は小型1級船舶免許を取得するため勉強中でございます。
そのためまだ免許は取得しておりませんが申請・講習・試験までの流れを紹介します。これから取得を検討している方が最初の一歩を踏み出す際に読んでいただきたい内容になっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
【2022年9月追記】
小型1級船舶免許に無事合格しました!
現在は海苔漁に使用する船を操船しています。
船舶免許の種類を選ぼう
まずは小型船舶免許の種類を選びましょう。
著者は今後、海の仕事に就くため一級小型船舶操縦士を選びましたが、皆さんはどの船舶免許を取得しますか?
小型船舶免許は4種類あり、航行区域・操縦できる船の種類が決まっています。
資 格 | 航 行 区 域 | 船 の 種 類 |
---|---|---|
一級小型船舶操縦士 | 全ての水域 | 特殊小型船舶を除く小型船舶 |
二級小型船舶操縦士 | 平水区域及び海岸から5海里以内の水域 | 特殊小型船舶を除く小型船舶 |
二級小型船舶操縦士(湖川) | 湖・川の水域のみ | 特殊小型船舶を除く小型船舶 |
特殊小型船舶操縦士 | 水上オートバイの航行区域 湖川及び海岸から2海里以内の水域 | 特殊小型船舶 (水上オートバイ) |
湖川や海岸で水上オートバイを操縦したい方は特殊小型船舶になります。
なお2級以上の船舶免許を持っていても水上オートバイには乗れないためご注意ください。
各都道府県で船舶講習・試験窓口が決まっているので確認の上、一度連絡してみるとよいでしょう。
夏季はマリンスポーツシーズンのため船舶教習所・試験の枠が埋まっていることが多いです。
取得を検討している方は早めの申請をおすすめします。
学科試験の勉強をしよう
船舶免許の種類を選んだら、学科試験の勉強を始めましょう。
2級以上の方は『船舶基礎知識の指定範囲』、1級の方は『船舶基礎知識全範囲』、『上級運行Ⅰ、Ⅱ』の勉強が必要になります。
勉強していて思ったことは、2級以上の学科は基本的な知識や考えがあれば大丈夫ということです。
自動車免許の学科試験のような出題形式のため、教本を読み込んでおけば間違えることはありません。
一方で1級の出題範囲『上級運行Ⅰ、Ⅱ』はしっかり読み込んで勉強する必要があります。
内容は海図を用いて船位を求める問題などが出題されます。
教習所では懇切丁寧に教えてもらえますが、独学で受験を検討している方はご注意ください。
定規・コンパスの使い方、計算方法などは間違えて覚えてしまうと全問外れる可能性があります。
1級を受験する方は1日だけでも講習を受けて、分からない箇所を教えてもらうようにしましょう。
使用する教本は教習所によって異なりますが、試験の出題範囲は網羅しているのでとにかくやり込みましょう。
最低合格ラインを確認しよう
短期間で免許の取得を目指す方は最低合格点も把握しておきましょう。
全種類の免許で最低ラインが決まっています。そのため満点ではなく合格点を取れるよう勉強計画を立ててください。
実技では教本内容が必要になる場面もあるので手を抜かずに読み込んでおきましょう。
取得する免許 | 操縦者の心得及び 遵守事項 (15分) ※二級(湖川)は10分 | 交通の方法 (20分) ※二級(湖川)は8分、 特殊は15分 | 運航 (35分) ※二級(湖川)は12分、 特殊は20分 | 上級運航 I (50分) | 上級運航II (20分) |
---|---|---|---|---|---|
1級 | 一般:12問 | 一般:14問 | 一般:24問 | 8問 | 6問 |
2級 | 一般:12問 | 一般:14問 | 一般:24問 | ー | ー |
2級(湖川) | 一般:12問 | 一般:10問 | 一般:18問 | ー | ー |
特殊 | 一般:10問 | 一般:8問 | 湖川:12問 | ー | ー |
出題範囲はほとんど同じですが、免許種類によって問題数が多少異なります。
試験時間は各出題範囲によって決められており、該当する範囲の合計時間が試験時間になります。
Ex)2級受験の方なら【操縦者の心得15分】+【交通の方法20分】+【運航35分】=【試験時間:1時間10分】
最低合格ラインは各範囲一律で50%以上で、合計で65%以上の正答率が必要になります。
ここは間違えやすいポイントなのでしっかり確認しましょう。
取得する免許 | 操縦者の心得及び 遵守事項 | 交通の方法 | 運航 | 上級運航 I | 上級運航II |
---|---|---|---|---|---|
1級 | 6問〜/12問 | 7問〜/14問 | 12問〜/24問 | 4問〜/8問 | 3問〜/6問 |
2級 | 6問〜/12問 | 7問〜/14問 | 12問〜/24問 | ー | ー |
2級(湖川) | 6問〜/12問 | 7問〜/14問 | 9問〜/18問 | ー | ー |
特殊 | 5問〜/10問 | 4問〜/8問 | 6問〜/12問 | ー | ー |
上記の表では各範囲の最低ライン50%以上の正答率を表しています。
2級の方を例に見ていきましょう。
Ex)2級受験で不合格
【操縦の心得:7問/12】+【交通の方法:7問/14】+【運航:13問/24】=【正答率:27問/50問(54%)】
Ex)2級受験で合格
【操縦の心得:10問/12】+【交通の方法:13問/14】+【運航:13問/24】=【正答率:33問/50問(66%)】
この違いが分かりますか?
最初の方は各範囲50%以上取れていますが、合計54%の正答率となってしまい最低基準の65%に届きませんでした。
一方で合格した例では合計66%の正答率となっており、最低基準をクリアしています。
各範囲の最低基準を取れても合計で65%取れないと不合格になってしまうのです。
そのため受験される方は各範囲65%以上の正答率を目標に勉強しましょう‼︎
2級までは『船舶基礎知識の指定範囲』の合計65%以上が最低基準でしたが、1級取得予定の方は『上級運行Ⅰ、Ⅱ』も加わるため難易度が上がります。
さらに『船舶基礎知識の指定範囲』、『上級運行Ⅰ、Ⅱ』それぞれの合計で65%以上が合格基準となるため簡単な方で点を稼ぐことができません。
『上級運行Ⅰ、Ⅱ』は先ほども紹介した通り、海図を用いて答える問題があるためしっかり覚えないと間違えやすいです。
海図を用いる問題は上級運航Ⅰの範囲で3問出題されます。全て外してしまうと最低基準4問の正答率が厳しくなってしまいます。
海図以外にも計算式を用いる問題が上級運航Ⅱで出題されるため、油断は大敵です。
自分の不得意な分野もあると思いますが、最低でも解くべき問題が何か見極めて効率的に勉強することを強くお勧めします。
実技試験の練習をしよう〜操船〜
学科試験が終われば次は実技試験が待っています。そのため船に乗って操船の練習をしましょう‼︎
とは言っても自動車と違って簡単に操船はできません。
各県にある教習所・スクールに問い合わせてみましょう。
日程に縛りはありますが、実際に船に乗って操船練習ができます。
試験の内容に沿った講習を受けれるので操船感覚や着眼点・注意点も一緒に取得することができます。
著者は1日でしたが学科講習を受けた後に、実際に操船しました。
率直な感想は「車と違って、波を読んだ操船は難しい」です。
写真は実際に操船した際に撮った操縦席です。
船にブレーキはないため左にあるスロットルレバーの前進・後進を使い分けて動かします。
スロットルレバーには常に左手を添える必要があるため、基本的には片手でハンドルを操縦します。
慣れない方だと旋回する際に思いっきり回してしまうことがあるようです。
操船は思っているより難しいため、教習所などで実習を受けて感覚を掴むのが最短の近道です。
※実技で使用する船と同じ型で練習するのが一番です。
教習所・スクールに練習船の型を聞いてみるとよいでしょう。
実技と同じ船だと本番も落ち着いて操船できるよ‼️
一発合格を目指すなら、教習前に確認しておこう👍
実技試験の練習をしよう〜点検・ロープワーク〜
実技試験の内容は操船以外にもあります。
『船を係留する際のロープワーク・船の点検箇所』など操船する前に必要な知識・技術も試験内容に含まれています。
点検箇所は教本に沿って学ぶのが一番分かりやすいため、各自購入した教本で確認してみましょう。
実技試験では乗船前に発声による各所点検が必須であります。
着眼点・声出し・点検箇所は講習を受ける際に細かく確認しましょう。
分からないことは全て聞いて理解するのが合格への近道です。
ロープワークは最低でも7個覚えておきましょう。
覚えるべき7個は以下に箇条書きします。
7個の中でも確実に試験に出るのは【クリート止め】です。
着岸をした際に船をクリートに止めるところも試験範囲になります。
クリート止めは巻き方が合っていても止める方向が間違っていると減点されるのでご注意ください。
試験は落ち着いてやればできる‼︎
学科・実技ともに最後は焦らず落ち着いてやれば絶対に大丈夫です‼︎
学科ではいつもなら解ける問題も、読み間違いや焦りによりコンパス・定規がずれて間違えることがあります。
落ち着いて1つ1つ解いていけば最低基準はクリアできます。
実技試験は操縦席の隣に教官がいる状態で実施するため、いつも以上に緊張してしまいます。
緊張すると安全確認動作が小さくなったり、声が出なかったりと動きが鈍くなります。
対処法として著者が実際に行ったのは【いつもより大きめの声出しをしてリラックスする】です。
腹から声出しをすれば自然と力が抜けてリラックスできるので皆さんにおすすめします。
試験の際に教官が見ているのは声出しではなく実際の動作です。
安全確認の動作は大げさなくらいがちょうどいいです。
前後左右の確認をする際にはしっかりと顔・体をむけて確認するようにしましょう。
※確認動作は細かくチェックしています。1つ1つ丁寧に行いましょう。
小型船舶操縦士免許を今シーズンに取得しよう‼︎
今回は【船舶免許の取得】について紹介しました。
船舶免許の中でも小型船舶に絞って紹介しましたが、最短で取得したい方は試験内容・合格最低基準を把握してスケジュールを立てましょう。
何もわからない状況で始めるのと、事前に調査した上で勉強を始めるのでは天と地の差があります。
最終目標は小型船舶免許の合格・取得です。試験で満点を取ることではありません。
目標達成への最短ルートを設定し、確実に合格できるよう勉強を始めていきましょう‼︎
小型船舶1級免許 合格発表‼︎
勉強開始が7月15日、学科試験が8月2日だったので17日間の勉強時間でした。
実技試験は国家試験で一発本番もあれば、スクールの練習後すぐに受けることができるパターンもあります。
練習後に日数が空くのが不安な方はスクールで試験までできるところをおすすめします。
※記事投稿後、無事に実技試験も合格できました
個人差はありますが、短期間でも要点を掴めば合格できます‼︎ みなさんも頑張りましょう‼︎
また次回の記事でお会いしましょう。それでは〜